最新ホワイトニングの解説
その場を、「労働の人間化」とか「仕事のやりがい」に言い及ぶ「理想論」も、たとえば「このノルマは無理です」といった「弱音」も、あるなかまへの不当ないじめに対する抗議も、おそれずに口にだせるような場につくりかえること。
私の知るかぎり職場での意志決定プロセスに関する研究はまだ乏しく、職場懇談会での民主的な討議の展望に関して私はこれ以上一歩も進めないけれども、仕事のありかたを集団的に討議できる場の問題の枢要性だけは、能力主義管理とのつきあいかたを考えることを最後に強調しておきたいと思う。
むすびにかえてー企業社会と企業中心社会ここの叙述は、能力主義管理の「日本型」の把握にはじまり、その展開の小史、それが職場と労働に与える具体的なインパクト、それに適応する労働者意識の背景分析を経て、ゆとり・なかま・決定権という価値をペースとした能力主義管理とのつきあいかたの模索にいたるという航跡をたどった。
ここに要約を試みる必要はもうあるまい。
しかし、叙述のうちにあらためて痛感させられたことはあげておく。
たとえば次のようないくつかの命題である。
能力主義管理の強化は、現代日本における最大の生活問題にほかならない労働問題のすべてに、大きな影響を及ぼしている。
「個人の能力や業績の重視」が、多くのふつうのサラリーマンに「個性の尊重」をもたらす保証はない。
能力主義管理のインパクトはかならず労働者の階層別に把握されねばならないが、能力主義管理の展開それ自体がまた、いっそうの階層分化をもたらしもする。
能力主義管理論では、それによって元気になれる少数のエリートよりも、むしろしばしば視野の外におかれる、それを受容させられる多数のノンエリートのほうを凝視したい。
しかし後者が前者に文化的に牽引されていることが、日本企業の能力主義管理を歯止めのかからないものとさせている。
それにもう一点つけくわえる。
ここでいう「企業社会」とは、職業社会とか地域一般労働社会と対比される労働社会、すなわち労働者のグループ形成の一形態のことであって、論者によっては用いられる、日本社会全体を批判的に特徴づける概念ではない。
なぜそんなことにこだわるかというと、多くの日本の労働者にとって、企業社会(またはそれに包摂された職場社会)への定着はなお自然な選択でありつづけると思われるからだ。
現在の企業社会にまとわりつくある拘束性を批判しながらもあえてこの「自然な選択」を擁護することは、能力主義管理の強化論が「職場共同体」への労働者の執着を咳う現時点では必要なことですらある。
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